ベンフィカ - FC バルセロナ:英雄的な勝利(0-1)

エスタディオ・ダ・ルスで行われたチャンピオンズリーグラウンド16第一レグ、ベンフィカーFCバルセロナ戦は、バルサが数的不利な状態で70分以上戦わざるを得なかったにもかかわらず、後半にハフィーニャが決めたゴールで、僅差勝利を手にし、第一レグを制して、ホームでの第二レグに向かうことになった。

エスタディオ・ダ・ルスには、何かが宿っている。容易な試合ではなかった。バルサは前半22分には、クバルシの退場により10人でプレーすることを余儀なくされたのだから。しかし、前回、アディショナルタイムに勝利弾をもたらしたハフィーニャが、今回も決定的な働きをみせ、後半15分に決めたゴールがチームに勝利をもたらすことになった。

テンションマックスのスタート

ゲームの最初から、テンションはマックスだった。キックオフの笛が鳴るやいなや、ベンフィカは最初のゴールチャンスを手にし、シュチェスニーは、この日、最初の仕事をすることを余儀なくされた。リスボンで行われたチャンピオンズリーグラウンド16第一戦に、ハンジ・フリックは、シュチェスニー、クンデ、クバルシ、イニゴ・マルティネス、バルデ、フレンキー・デ・ヨング、ダニ・オルモ、ペドリ、ハフィーニャ、ラミン・ヤマル、レバンドフスキのイレブンをピッチに送った。2分後、バルサはようやくボールを取り戻し、ダニ・オルモが最初のシュートを放った。雨の降る中、チャンピオンズリーグラウンド16にふさわしいエキサイティングなゲームが繰り広げられる夜になることは、明らかだった

前半12分には、バルサに絶好のスコアリングチャンスが訪れ、最初はレバンドフスキ、続いてラミン・ヤマルがトルビンの守るゴールにシュートを放ち、先制点が生まれるかと思われたが、トルビンの前にわずかのところで、ゴールは阻まれた。

予期せぬアクシデント

しかし、状況は前半22分にがらりと変わることになった。予期せぬアクシデントが起きた。ゴールを狙い、走り込んでいたパヴリディスからボールを奪うべく、ファウルを犯したクバルシにレッドカードが与えられたのだ。バルサは、残り70分を数的不利な状況で戦うことになった。この事態を受けて、前半27分、ハンジ・フリックはダニ・オルモをベンチに下げ、代わりにロナルド・アラウホをピッチへ送った。前半33分には、シェルデルップのシュートをシュチェスニーが防いだ。スタンドからの発煙筒による白いスモークの中、バルサは10人で戦いながらも、６割のポゼッションを維持し続けた。前半44分には、アクトゥルコールがシュチェスニーと1対1になり、シュートを放ったが、ぎりぎりまで耐えたシュチェスニーがスーパーセーブを見せて、失点を防いだ。前半に加えられた6分間のアディショナルタイムに、ハフィーニャがシュートチャンスを手にするも、ゴールネットは揺らすことはできなかった。それでも、バルサはベンフィカの攻撃から逃げ切り、スコアレスドローでハーフタイムを迎えた。

守護神・シュチェスニー

後半の最初も前半同様、ベンフィカの激しい攻撃からスタートしたが、前半も神がかったセービングをみせたシュチェスニーが、ここでも主役となった。今年1月の試合では、バルサにハットトリックを決めたパヴリディスのシュートをセーブし、危機的な状況を再び、救った。

再び、救世主現る

後半10分、ハンジ・フリックは、ラミン・ヤマルに変えてフェラン・トーレスをピッチに送った。数的不利になっても、攻撃を諦めるバルサではなかった。そして、後半15分、再び、奇跡が訪れた。それはデジャブのようだった。トルビンのゴールネットを揺らしたのは、前回、アディショナルタイムに奇跡の勝利弾をもたらし、バルサの逆転勝利を可能にしたハフィーニャだった。アントニオ・シルバから奪ったボールを前線に持っていくと、黄金の左足を振り抜き、クロスシュートを突き刺し、バルサに僅差リードをもたらした。

後半32分、第二レグに向けて失点を防ぐことも大事な時間にさしかかり、ハンジ・フリックは、レバンドフスキとフレンキー・デ・ヨングをベンチに戻し、マルク・カサドとジェラルド・マルティンがともにバルサを守る役割を与えられた。

最後まで死闘が続いた。ホームチームも、勝ち点をあげて第二レグに向かうために、必死にシュチェスニーのゴールマウスを狙った。シュチェスニーのセービングは8回にも渡ったが、最後まで失点を許すことはなかった。全員一致して、一つの力になる。不利な状況に置かれても、それに耐えることを知っていたバルサは、英雄的な勝利を手に、来週、ホームのリュイス・カンパニスオリンピックスタジアムで第二レグを戦う。全てはモンジュイックで決まることになる。