‘WE WANT THE BALL’, 125周年FCバルセロナ記念フィルム
「初めて手にしたサッカーボールを覚えている?」「この純粋なる物体がこんなに遠くまであなたを運んでくれると想像した?」子供の声と共に、サッカーの何かと思わしき影と共にブラックスクリーンに浮かび上がる。これが 'We want the ball'(私たちはボールが欲しい)、 125周年記念FCバルセロナの記念ビデオの始まりだ。このビデオは、単なるビデオではなく、一つのマニフィエストであり、8分間の芸術作品として、リー・ポーウィスが監督している。
よって、中心となるメッセージは、FCバルセロナの歴史に重きをおいている。その歴史は、観衆とピッチ上で起きたできごと、祖父母、両親、子供たち、孫たちの世代を経て行われる対話を通してのみ、理解できるものだ。
オーディオビジュアル作品
このビデオは、今では大人になったクレを子供の頃の思い出に引き戻す最初の旅を体験する誰かの心の中に、視聴者を連れていく。家を離れた瞬間からスタジアムへ入るまで、観客全員が一つになる瞬間、バルサのチャントを聞いた瞬間にバルセロナの町が麻痺する瞬間まで。ストーリーの進行と共に、理性と感情が淘汰され、カタルーニャの文化というアイデンティティが姿を表し、現在の選手、過去のレジェンドから元会長など、バルサの歴史の鍵となった様々な人々や常にサポーターが鍵となり、そこにいる異なった瞬間や空間が混ざり、表現され、また、クラブの足跡が多くのスポーツの功績を超えたものであることが示される。そこには、ファンと共に維持してきた長い会話への道があり、集団となったバルサファンの真のスピリットが 明かされる正直な対話が語られている。
最後に「FCバルセロナで、ボールが欲しいと思い続けて125年間が経った」というスローガンと共に、ビデオはほかでもない、レジェンド、レオ・メッシの登場で幕を閉じることになる。
ボール、鍵となる要素
このビデオを通して、ファンの間でも、選手間でも、女子の間でも、FCバルセロナのレジェンド達にとっても、ボールは鍵となる要素となる。集団での目的が一つとなる'We Want the Ball' :私たちがボールを欲しいのは、楽しむため、分かち合うため、攻撃するため、私たちを守るため。そして私たちがみんなでプレーすれば、より良いプレーができると信じているから。私たちがボールを欲しいのは、私たちが輝くためなのだ。
「We Want the Ball」は、ボールのサッカー的意義を推進し、バルサのみならず、カタルーニャ文化の一部をも成し、人生をある特定の方法で理解する方法でもある。ボールを保持するための「ロンド」やその他のスキルへの言及がビデオで見られるのは、試合を理解する独特な方法へのコミットメントであり、認められているバルサのスタイルへの取り組みを表現している。また、これはポピュラーな文化的表現にも関与している。ロンドはは、「サルダーナ」や「人間塔」(カタルーニャの伝統的な舞踏や風物行事)同様、力づくで行うわけではなく、そこには理由があること、一時的に主役になることや個人的な解決を求めないこと、あらゆるコンポーネントが平等に与えられ、技術的な能力及び選択した方法を内面に取り入れることによって、自身でコーディネートし、調和を保つことを学ぶのものなのだ。
視聴覚作品で見られるロンドやその他のボール保持練習への言及は、ゲームを理解するための非常に特殊な方法、つまりバルサのスタイルへの取り組みを表していますが、これは人気のある他の文化表現とも大きく関係しています。ロンドでも、サルダナでも、城でも、暴力を正すことではなく、暴力に目的を与えることであり、主人公を探したり、部分的または個別の解決策の探求を奨励したりすることではなく、計画に組み込むことである。すべてのコンポーネントや部分が平等であるため、技術スキルと選択した方法の内面化に基づいて、集合的に調和して調整することを学びます。そして、天性の才能は、グループの役に立てば、よりよく認識され、研ぎ澄まされ、より輝きます。
クレジット
タイトル: FCB 125周年記念フィルム
監督: リー・ポーウィス
脚本: デビッド・カラベン
プロデューサー: ProdCo
創設パートナー/EP: イアン・ポンズ・ジュエルとジコ・ジャッジ
監督総監督/エグゼクティブ・プロデューサー: ジョン・アダムス
プロデューサー: テオ・ヒュー・ウィリアムズ
撮影監督: ノーム・リー
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