予定より1年早く収入10億ユーロ超え、スポーツクラブで世界1の座を確かなものに
FCバルセロナが10月6日の通常クラブ総会でソシオ代表者に承認を求めるクラブ会計案を発表した。副会長でクラブ役員会経理のエンリケ・トンバスが詳細を説明。今年6月30日締めの2018/19シーズンは9億9000万ユーロの収入があり、クラブ最高経営責任者(CEO)のオスカル・グラウは2019/20シーズンの予算案の中で収入は10億4700万ユーロになるとの見通しを示した。
この数字はスポーツ界で新記録となり、クラブ内での当初の見通しが前倒しされることを意味している。これまでクラブ役員会の戦略的プランでは2021年に収入10億ユーロの突破を想定していた。
今シーズン予算は10億700万ユーロの支出と1100万ユーロの税引き後利益となっている。これにより9年連続での黒字で2011/12季からの累積収益は2億1300万ユーロに上る。またEBITDA(金利・税金・償却前利益)予算は1億9900万ユーロで歴代記録となり、クラブの手堅さと持続可能性を示すものとなっている。
収入の伸びは6パーセントで、スポンサーシップにおける前例のない商業的努力を特筆する必要性がある。これは過去10年間(2010–2020年)で1億7200ユーロの売上高が増加したことになる。
また商業面で鍵となるのはバルサショップおよび商業ライセンスを通じてバルサブランドを活用したことが満足できる進化を遂げていることになる。この点で8600万ユーロの収入増加を果たしている。
今後は選手の移籍とそれによる収益が9%増加すると予測されており、クラブとサッカー業界自体の経常利益として受け止められている。
支出面では1800万ユーロと見込まれているスポーツ給与の3%の削減と、1100万ユーロとなっている償却費の7%削減を予定している。
管理費は主にバルサTVの管理費用の増加、バルサショップの売上増加および商業ライセンス開発に関する費用増加によるもので、3400万ユーロが上乗せされる。
投資については、エスパイ・バルサの計画更新のための7300万ユーロが際立つものとなっている。
2018/19季会計の決算
2018/19シーズンの会計決算については、クラブ史上最高の収入となる9億9000万ユーロに到達、前シーズン比で8%増、7600万ユーロの成長となった。支出は9億7300万ユーロで、税引き後利益は500万ユーロ、EDITDAは1億7900万ユーロだった。
収入面では選手の移籍を除くあらゆる面で増加している。スタジアムに関係する収入は1200万ユーロ(6%)増加。主に区画の売却とホスピタリティ請求の改善によるものが主な内訳となっている。
メディアの面でも大きな増加となっている。金額としては7500万ユーロで、成長率は34%。これはチャンピオンズリーグの準決勝進出によりUEFAからのテレビ放送による支給額となっている。
コマーシャル分野では24%増の6200万ユーロを計上。新たなスポンサーによるものと、契約延長による条件改善の結果となっている。特に注目に値するのは、初年度となる店舗管理とコマーシャルライセンスの成功。バルサ・ライセンス&マーチャンダイジング(BLM)を通じた売上高は6300万ユーロとなった。
移籍に関する面では、9700万ユーロと想定される46%の減額は、前年ネイマール選手の契約解除に伴う退団に伴うもの。この違いは定期的なビジネス(スタジアム、メディア、コマーシャル)によって補われている。
収入の章を締めくくる結論としては、最近5年で6億800万ユーロから9億9000万ユーロと、63%(累積)という大きな増加を果たしている。
支出については、スポーツ給与の抑制が達成され、変動は1%に止まっている。一方減価償却費は譲渡と機器更新により23%、2700万ユーロの増加となっている。
もう一つの費用での増加はバルサストアの管理とライセンス使用に関連するもので、4300万ユーロの増額となっている。
スポーツ費用の推移
2018/19シーズン、スポーツ費用、給与合計およびクラブすべてのプロスポーツ部門の償却額は、総収入9億9000万ユーロに対して68%で、前シーズン(70%)から2%の縮小となった。サッカー部門でのコストとしては収入は61%に落ちる。
純資産に関しては、2011/12季の会計年度以降、2億2000ユーロの増加となっている。
クラブの債務は、2019年6月30日現在で2億1720ユーロで推移している。法令第67勝で定められたEBITDA比率は、エスパイ・バルサの投資を破り引いて、2に設定された上限を0.76下回っている。
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